山形銀行 ディスクロージャー誌 2016
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32信用リスク管理市場リスク管理 当行では、融資を行う際の基本的な考え方を定めた「クレジットポリシー(融資業務規範)」、信用リスクの具体的な管理方法等を定めた「信用リスク管理規程」に基づき、公共性・安全性・成長性・収益性を重視した与信判断、信用格付・自己査定によるリスク量の把握、特定先への集中排除を原則としたリスクコントロール等に取り組んでおります。また、審査管理部門を営業推進部門から分離し独立性を確保したうえで、厳正な信用リスク管理を行っております。 自己査定については、資産の健全性確保の観点から、監査部門による監査を含め、厳格な査定を実施するとともに、査定結果に基づいた適正な償却・引当を行っております。 さらに、事業性融資先を対象とした信用格付制度を導入し、定量面・定性面の両面から企業実態の把握に努めるとともに、信用格付に基づく信用リスク定量化に取り組んでおります。これらは、融資金利の適正化、与信ポートフォリオ管理、自己資本配賦に基づくリスクの統合管理等に活用し、信用リスク管理の一層の高度化を図りながら、適正なリスクテイクに基づく収益確保に努めております。 当行では、市場リスクについて、リスク計測手法、リスク限度額、報告体制等を定めた「市場関連業務規程」等に基づき、市場リスクを適切にコントロールしながら、安定した収益の確保に努めております。 具体的には、半期ごとに策定する「運用方針・リスク管理方針」に基づいて、有価証券投資等の運用・管理を行い、市場部門に割り当てられた自己資本の範囲内にリスク量をコントロールすることで、健全性の確保に努めております。 リスク量については、BPV(ベーシス・ポイント・バリュー)、VaR(バリュー・アット・リスク)等の手法を用いて定量的に計測・把握し、日次・週次・月次等、金融商品ごとに定めた頻度で報告・モニタリングを行っております。さらに、毎月、常務会として開催するALM会議において、市場リスクの状況や市場見通し等を踏まえながら、ALM運営に関する検討を随時行っております。 また、市場部門内の相互牽制をはかるため、取引執行を行うフロントオフィスと、事務管理を行うバックオフィスを厳格に分離するとともに、フロント・バック各々をモニターしリスク管理を行うミドルオフィスを設置することにより、厳正な執行・リスク管理を行っております。 近年の規制緩和やグローバル化の進展、さらには情報通信技術の発達等により、銀行の取扱業務は高度化・多様化しており、それに伴い、管理すべきリスクも一層複雑化・多様化しております。 このような環境のなか、当行では、各種リスクを可能な限り統合的に把握・管理するとともに、状況に応じてリスクの分散・回避・圧縮等の方策を実施しながら、収益とリスクのバランスを図ることが経営の健全性と安定収益の確保につながると認識し、リスク管理態勢の整備・充実に取り組んでおります。 リスク管理態勢については、「統合的リスク管理規程」を制定し、リスク管理の基本原則や管理態勢等を明示しております。また、統合的リスク管理部署を総合企画部リスク統括室とし、各種リスクの統合的管理に取り組むとともに、各リスクごとに統括管理部署を定め、役割と責任体制の明確化を図っております。 さらに、定期的に開催する「リスク管理会議」および「ALM会議」等において、各種リスクの発生状況や管理状況、改善策等について報告・協議を実施しております。統合的リスク管理態勢の強化対処すべき課題と取り組み状況

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